sum 'bout sum

10/21

プロデューサー
はい、それじゃあ、
イントロ後のサビから
行くよ。

アーティスト
あの、プロデューサー。
ちょっとよろしいですか?

P
なんかあった?

A
ここの最初の歌詞なんですけど
別の言い回しにできないですか。

P
え?どうしたの?

A
いやあの、、ヘイベイベー
って最近言わなくないですか?

P
は?そこ気にする?
じゃ、分かった。
ヘイベイビーでいいよ。
じゃいくよっ。

A
あ、いや読み方の問題ではなくて
ベイビー自体古いかなみたいな。

P
はい?なに、そういうとこ
気になっちゃう系なんだ?
分かったよ。
ここの歌詞はウォウレイディに変更ー。
じゃ行くよー。

A
ちょちょちょ、すみませーん。
違うんです。
なんていうか、使い古された感ていうか
時代に合ってないっていうか
ベイベーでもレイディでも
ヘイでもウォウでも
なんかちょっと違うっていうか、、。

P
ふーん、あ、そう。
じゃ君はここどうしたいの?

A
なんかもっと自然体というか
ぼくやきみみたいな日本語の
会話で出てくるような表現のほうが
耳にすっと入ってくるんです。

P
わかったよー。
じゃあ、ここはそうだなぁ、、
なしにしよう。何も言わないってことで。
では最初のサビからいきまーす。

A
すみませーん。

P
今度は何?

A
歌詞の至るところに
※があって下に注釈で
スキャットもしくはアドリブと
あるのですが、、。

P
?なに?

A
いや、あのこれは
そのタイミングで
アドリブで入れろということですか?

P
そうだよ?
できるでしょ?
ウッ
とか
パオ
とか
チェキ
とか
そんな感じの言ってればいいから。

A
は、はい、、。
ということは

「チャイチャイ君は真夜中のほうじ茶ラテ、ウッ」
「太陽のスナイパー、大気圏外から芋れ芋れ、チェキ」

でいいですか。

P
そそ。
その時のヴァイブスが大事だから、
こういうのは。
その場の勢いでね。
やっちゃうときあるでしょ?
はめ外しちゃう的な?
そういうのやってよ。

A
、、、善処します。

P
はい、気を取り直して、、

A
あ、それと!

P
なに!?

A
これも歌詞のことなんですけど
全体的に表現が、、あの、、
斬新というか、、、
いや、、例えば
最初のAメロのところで

「焼けた君の足の甲に梅雨前線。」
「マダガスカルにそっくりだね、そのデセール。」

とありますが
正直よく分からないです。
かと思えばBメロでは

「u betta protect ya neck」
「this is how we f*cking do it」

とか、ハードコアラップが始まりますし。
も、いや、これから歌う私自身さきほどから
頭に?が付いてます。

P
ふーん。
分からないかなぁ?
女子高生の切実な悩みを
吐露しているのに。

A
女の子だったんですね。
今知りました。
三十過ぎた私が
女子高生ですか、、。

P
人生讃歌みたいな感じでさ。
女子の共感されまくって
「シンパシー感じちゃったし」
みたいな感想もらっちゃってさ。

A
はぁ、依然分かりませんが
プロデューサーの気概は分かりました。

P
そろそろサビから
オケ出してもいいかな?

A
心配しかありませんが
やるしかないですね。

(3分後)

P
うーん、、、

A
もう、分かりますよね?

P
あのさ、、、
やっぱりヘイベイベーいれよう。

A
見直す場所そこ?


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