プロデューサー
はい、それじゃあ、
イントロ後のサビから
行くよ。
アーティスト
あの、プロデューサー。
ちょっとよろしいですか?
P
なんかあった?
A
ここの最初の歌詞なんですけど
別の言い回しにできないですか。
P
え?どうしたの?
A
いやあの、、ヘイベイベー
って最近言わなくないですか?
P
は?そこ気にする?
じゃ、分かった。
ヘイベイビーでいいよ。
じゃいくよっ。
A
あ、いや読み方の問題ではなくて
ベイビー自体古いかなみたいな。
P
はい?なに、そういうとこ
気になっちゃう系なんだ?
分かったよ。
ここの歌詞はウォウレイディに変更ー。
じゃ行くよー。
A
ちょちょちょ、すみませーん。
違うんです。
なんていうか、使い古された感ていうか
時代に合ってないっていうか
ベイベーでもレイディでも
ヘイでもウォウでも
なんかちょっと違うっていうか、、。
P
ふーん、あ、そう。
じゃ君はここどうしたいの?
A
なんかもっと自然体というか
ぼくやきみみたいな日本語の
会話で出てくるような表現のほうが
耳にすっと入ってくるんです。
P
わかったよー。
じゃあ、ここはそうだなぁ、、
なしにしよう。何も言わないってことで。
では最初のサビからいきまーす。
A
すみませーん。
P
今度は何?
A
歌詞の至るところに
※があって下に注釈で
スキャットもしくはアドリブと
あるのですが、、。
P
?なに?
A
いや、あのこれは
そのタイミングで
アドリブで入れろということですか?
P
そうだよ?
できるでしょ?
「ウッ」
とか
「パオ」
とか
「チェキ」
とか
そんな感じの言ってればいいから。
A
は、はい、、。
ということは
「チャイチャイ君は真夜中のほうじ茶ラテ、ウッ」
「太陽のスナイパー、大気圏外から芋れ芋れ、チェキ」
でいいですか。
P
そそ。
その時のヴァイブスが大事だから、
こういうのは。
その場の勢いでね。
やっちゃうときあるでしょ?
はめ外しちゃう的な?
そういうのやってよ。
A
、、、善処します。
P
はい、気を取り直して、、
A
あ、それと!
P
なに!?
A
これも歌詞のことなんですけど
全体的に表現が、、あの、、
斬新というか、、、
いや、、例えば
最初のAメロのところで
「焼けた君の足の甲に梅雨前線。」
「マダガスカルにそっくりだね、そのデセール。」
とありますが
正直よく分からないです。
かと思えばBメロでは
「u betta protect ya neck」
「this is how we f*cking do it」
とか、ハードコアラップが始まりますし。
も、いや、これから歌う私自身さきほどから
頭に?が付いてます。
P
ふーん。
分からないかなぁ?
女子高生の切実な悩みを
吐露しているのに。
A
女の子だったんですね。
今知りました。
三十過ぎた私が
女子高生ですか、、。
P
人生讃歌みたいな感じでさ。
女子の共感されまくって
「シンパシー感じちゃったし」
みたいな感想もらっちゃってさ。
A
はぁ、依然分かりませんが
プロデューサーの気概は分かりました。
P
そろそろサビから
オケ出してもいいかな?
A
心配しかありませんが
やるしかないですね。
(3分後)
P
うーん、、、
A
もう、分かりますよね?
P
あのさ、、、
やっぱりヘイベイベーいれよう。
A
見直す場所そこ?